白 川 語 録

ノーベル賞の自然科学分野で日本人としては実に13年ぶりの受賞となった白川英樹筑波大名誉教授の00年10月20日の東京・有楽町・日本外国特派員協会での講演およびその後の会見から引用(『日本の教育はおかしい』=ニュース・ウェッブ・ジャパンより)

なぜ日本はノーベル賞受賞者を輩出できないのか

「『出る杭は打たれる』ということが大きな原因だと思います」

「私の場合は『出る杭は打たれる』というより放任されていた、無視されていたという感じですよ」

 筑波大学を退官されて現在??

「ノーベル賞を受ける前も海外の幾つかの大学や研究機関からは、ポストの申し入れがありました。しかし、日本ではありませんでした(退官しても国内からは何も声がかからない。はっきり言えば失業者ですよ)。ノーベル賞をもらってからは、話が別です。日本の大学や研究機関からいっぱい話が来ています。『なんで今ごろ』だと言いたいです」

日本の教育システム全体について

「小学校の時から日本人はみんなで仲良くやっていこうという気持ちが強く、横並びの方向でやろうという雰囲気が強いのです。一人だけ抜きん出ていると叩かれる、変わり者がいじめられるということでは困るのです」
 「(理系と文系は)分けない方がいいと思います。大学では最初の教養教育が最近少なくなってきています。しかし、これから理系をやろうとしている人にも教養教育は大事なのです。専門教育は大学院に上がってからでもできるんです。動機付けができれば人間はいくらでも伸びる。その動機付けをする前に、文系、理系問わずに文学や歴史、心理学といった基礎をむしろ勉強するべきではないかと思います。それがあべこべで、今ではたくさん教えなくてはということで専門教育を繰り下げています。それでは専門学校と変わらなくなってしまう。大学教育は専門家を育てることよりもリベラルな人格を育てるところだと思うのですが、そういった意見は受け入れられない。本当に大切なことはリベラルアーツ教育なのです」


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「(日本では化学全体が非主流だから、ノーベル賞くらいの業績がある)白川教授は一番権威のある学会の日本化学会賞ももらっていません。賞の対象にもなっていないのです。日本では高分子は面白いがみんな亜流だと思っていたわけです。それが日本全体の人間評価なんです。日本全体の人間評価が狂っているんです。大学の教授は勲章が欲しくてしようがないのです。だから学会とかで会議の議長はやるけれど、ほとんど仕事はしない。仕事をしている人は無名になる。けれど海外では評価する。そういう意味では白川教授の受賞は日本に対する警告と受け止めて欲しいのです」(前日本学術会議第5部長の内田盛也氏談)

 

 

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